年が明けるとすぐに、
ノムリエTさんと私は小菅川テンカラ教室の参加を申し込みました。 テンカラ大王石垣尚男先生の直接の指導を受けたいことが一番の目的ですが、何故に指導を受けたいかの理由は、『自然渓流でネイティブトラウトを釣りたい!』という願望からでした。 いままでの舞台は手付かずの自然渓流とはいえ管理釣場「赤久縄」の、放流量が多くて釣人に釣らせる環境の整ったところでテンカラを楽しんでいましたが、やはり自然環境の中で天然魚を釣りたいですよね。 そんな、誰でも沸き上がる願望と言いますか目標を持って、2016年のシーズンを迎えました。 しかしシーズン当初は、管理釣場の釣果を自分の実力と勘違いしながらのスタートでした…。
テンカラ教室に申し込んだ私たちでしたが、一般河川の解禁がはじまると、石垣先生の指導を待たずに自然渓流へと向かうのでした。 最初に向かったのは、山梨県峡北漁協管内の釜無川でした。 本流で釣れず、支流に移動しても釣れず、初めての自然渓流はボウズに終わりました。
続いての自然渓流は小菅川です。 テンカラ教室ではなく、テンカラ教室の前週に、下見を兼ねて小菅川へ行き、テンカラ教室で宿泊する廣瀬屋旅館に泊まってきました。 その釣行では10㎝程度の幼魚ながら、小菅川源流の天然ヤマメを釣ることができました。 そして、2016年4月末の、小菅川テンカラ教室の日がやってきました。
[石垣先生の個人レッスン]
小菅川テンカラ教室は、日帰り参加が可能な管理釣場での座学と実釣講習が2日間と、宿泊参加者のみの毛バリ巻き講習で構成されていました。 もちろんフルコースの宿泊で参加していた私たちは、座学と実釣講習の会場である「小菅フィッシングビレッジ」で、講習会の開始を待ちました。 そして講習の
石垣先生の到着です。 私たちの顔を覚えてくれていた
石垣先生は、目尻が下がった優しい笑顔で『来てくれましたか』と声を掛けていただきました。
講習は座学から始まりました。 テンカラの特徴や他の釣法との違い、
石垣先生が監修されたテンカラ竿と、使用しているレベルラインや
石垣先生監修の当時新発売されたストレートラインの説明、そしてお会いする度にお配りいただけるテンカラ大王特製の石垣毛バリを、またいただきました。 大学教授をされている
石垣先生の楽しくわかりやすい座学が終わると、外に出てキャスティングのデモンストレーションです。 しなやかな竿の振り込み、竿先から伸びるラインが竿のしなりにあわせてキレイなループを描いて、狙ったポイントに毛バリから落ちるキャスティングに見入ってしまいました。 そして、ポイントを伝えながら、そのポイントに毛バリを入れると、尺二寸はある大イワナです。 受講者全員の羨望の眼差しが集まります。
デモンストレーションが終わって実釣講習にうつりました。 受講者が「小菅フィッシングビレッジ」でテンカラをする中、
石垣先生が受講者のレベルに合わせた個人指導をしてくれました。 そして私のところも
石垣先生が来てくれて直接指導を賜ります。 その内容は、テンカラの初歩キャスティングでした。 自分では形になっていたつもりでしたが、これが自己流で全く基本から離れていたのでしょう。 いま現在、やっとキャスティングが良くなってきた、応用ができるようになってきたと実感できるようになりましたが、この日の基本の教えが礎になっていることは間違いありません。 テンカラのテの字をしっかり頭と身体に仕込んでいただきました。
日が傾くまで
石垣先生の個人講習付きのテンカラを楽しみ、宿泊参加の受講者のみ小菅村の廣瀬屋旅館に移動して、
石垣先生や主催者の
バーブレスフック普及協会のスタッフと共に夕食、そして毛バリ巻き講習を経て、初日の講習会が終わりました。 この時の小菅川テンカラ教室の宿泊参加者の人数が少なかったことから、
石垣先生と
バーブレスフック普及協会のスタッフとの反省会という名の飲み会に、
ノムリエTさんと共にお誘いを受けました。 この夜のお誘いが元になり、バーブレスフック普及協会のサポートメンバーである普及会員に名を連ねさせていただき、正会員である今日に至ることになります。
夜が明けて、2日目の講習は風雨にみまわれましたが、初日に教えていただいたキャスティングの復習をして、短く感じた小菅川テンカラ教室が終わりを告げました。(
当時の石垣先生の記事)
[思いがけない尺ヤマメの釣果]
この小菅川テンカラ教室でテンカラの基礎を教わった私は、小菅漁協の年間遊漁券を購入して、以前は月一回だったテンカラ釣行が月3から4回に増えて、自然渓流へと勤しみました。 主に小菅川の源流域でテンカラ、お昼は廣瀬屋旅館で美味しくボリューム満点のランチをいただく週末を心待ちするようになりました。 また、シーズン当初の峡北漁協管内でのリベンジ釣行では
初めてのアマゴを釣り上げ、鬼怒川栗山漁協管内では
初めてのの尺ヤマメを釣り、順風満帆な釣果を得ながら、本格的なテンカラへと足を踏み出しました。 そして、石垣先生主催のイベントにも参加させていただき、
バーブレスフック普及協会のイベントもお手伝いさせていただいて、テンカラ中心の日常へと、私の生活も変わっていきました。
忘れてはいけないのが、この小菅川テンカラ教室の後に、このブログを開設しまたことです。
ノムリエTさんと共通の知人が、このナチュログでブログをしていたことがきっかけですが、目標の自然渓流へのデビューに伴い、備忘録として後から自分で釣行の見直しをしたいがために始めました。 実は文章の上手い
ノムリエTさんに、私の釣果なども書いてもらって、自分は読むだけにしたかったのですが、そんな甘い考えは実らず自らもブログを開設して、先日のGWで4周年を迎えることとなりました。 まさかかんなに続くとは、開設当初は思ってもみませんでした。 そういえば、ブログのハンドルネームの「タツおう」の由来ですが、命名は
ノムリエTさんです。 ブログ開設にあたり、ハンドルネームを何にするか悩んでいたところ、『テンカラ大王に因んで竜王はどう?』と
ノムリエTさんから提案されました。 「竜王」と書いて「たつおう」と読む、その心は私のファーストネームが「たつお」なのです。 ほぼ本名なので、すぐに気に入って即決定だったのですが、流石に「竜王」は実力が伴わない名前負けだと思い「タツおう」になったのです。 いつかは胸を張って漢字で「竜王」と名乗れるようになりたいですね。
世界で近年例がない悪性のウイルスの影響により、おそらく世界で初めてのテンカラ自粛を余儀なくされる状態が続いています。 早く行きたい思いを抑えるのが大変ですが、ここは一時の感情は我慢して、はれて竿が振れる日を思いながら、毛バリを巻いて待ちましょう。 このような状態が解消されて、また渓流へとテンカラへ行った際には、こちらに書かせていただきます。 その明日が近いことを願って、今日も毛バリを巻きましょう…。
テンカラ万歳!!